TOPページへ戻る整骨院案内角さん(元巨人軍)との対談寝違いに対する手技療法

【はじめに】

我々柔道整復師が、日常の施術業務において年間に何度か遭遇する傷病の中に、頚部を動かすと激痛が走るいわゆる寝違いがあります。 今回頚部を動かすと激痛が走る寝違いを少しでも早く痛みと運動制限を取る為に、頚椎のずれている箇所を回旋しやすい方向(痛みが無い方向)へ矯正してみたところ、実に早期に痛みと運動制限が消失し良好な効果が得られましたのでここに報告します。

【発生原因】
睡眠中は頚部・肩部・背部にかけて筋肉の緊張が緩んでいる状態で不自然な姿勢に
成りやすく、この様な状態が長時間続いた後に起き上がると、頚の骨(頚椎)同士を織
ぐ椎間関節に、急激に無理な力がかかり、関節包という関節をとりまく組織が傷ついて
痛みが生じ、そして痛みの刺激で関節周囲の筋肉が過度に緊張して、こわばった様に
なる事により発生すると考えられる。
尚、寝違いには主に3つの筋・筋群(1.肩甲挙筋2.僧帽筋3.回旋筋・多裂筋)にトリ
ガーポイントが分布すると考えられる。(SL−1)

【回旋痛による分類】

(たとえば左側に痛みがある場合)
(1)右回旋時疼痛及び運動制限無いが左回旋時疼痛及び運動制限有り。この場合、左肩甲挙筋が原因と考えられる。(SL−2)
(2)左回旋時疼痛及び運動制限無いが右回旋時疼痛及び運動制限有り。この場合、左僧帽筋が原因と考えられる。(SL−3)
(3)左右回旋時疼痛及び運動制限無いが前後屈時のいずれかに疼痛及び運動制限有り。この場合、回旋筋・多裂筋が原因と考えられる。(SL
   −4)

【矯正方向の決め方】

問診時において負傷原因・負傷口等を問くが、その他に頚部の左右の回旋運動及び前後屈運動をして頂き、その時の痛みの無い方向(回旋し
やすい方向)を確認して、これである程度矯正方向を決めてから手技矯正に入る。

【矯正の方法】
患者を仰臥位にして術者は患者の頭上に座位し、まず両肩部・頚部の筋緊張をほぐす為に両手五指にてマッサージを行う(SL−5)。
次に両手の第2・3指指先にて、頚椎の左右の横突起付近を下部から上部に向かって再度マッサージをしながら矯正のポイントを探して決める(
SL−6)。
(右側から矯正を行う場合)術者は患者の頭上に座位し患者の顎を左固定手で、頚部後頭骨を右矯正手で保持し、そして軽く牽引し(SL−7)、
ゆっくりと頭部を左側へ回旋させながら、患者の右肩部側へ移動し、同時に左固定手は頭部を前腕と肘で支え、右矯正手第2指MP関節部を頚
椎の矯正ポイントにしっかりあて回旋を緩めずに(SL−8)、水平に押し込むように、左固定手は引き出すように、一気に矯正を行う(SL−9)。そ
の時、矯正音(ボッキッ)を手と耳で感じ取る事が出来る。矯正後は、ゆっくりと元の位置に戻す。
これで右側からの矯正を終了する。尚、左側からの矯正はこの逆を行う。
【矯正時の注意点】
1.矯正に対する恐怖心から頚部に力が入りすぎている場合はよくリラックスさせてから、それでも力が抜けない場合は無理に矯正を行わない。
2.暴力的な矯正は危険を伴う事も考えられるので十分に注意して矯正を行う様にする.3.寝違いで発症しない様な症状がある場合は、矯正は
   行わず速やかに専門医に託す。

【症例1】22歳女性

(原因)
深夜帰宅して、そのままソファの上に不自然な姿勢で寝ていて捻り負傷し、翌日来院。

(症状)
頚部右回旋30度・左回旋10度左頚部から左肩部にかけ筋緊張、疼痛及び運動制限著明、又、寝起き時激痛著名。

(経過)
1日目:
低周波による治療後、患者仰臥位にて頚椎を左側から右側へ矯正。
2日目:
頚部右回旋35度・左回旋15度前日の矯正の反応もあり一時的に若干の症状の悪化も見られたが、前回同様左側から右側へ矯正。
3日目:
前日の一時的な症状悪化もかなり緩和し、頚部右回旋45度・左回旋35度になり寝起き動作もかなり楽になる。 まだ、諸症状残存の為左側から
右側へ矯正す。
4日目:
頚部右回旋55度・左回旋50度疼痛及び左右の運動制限も消失するも、様子を見る為にその後一日治療を行い、すべての諸症状消失した為治
癒とする。

【症例2】35歳女性

(原因)
子供と一緒に無理な姿勢で朝まで寝ていて、ふっと起き上がった際に頚が動かず疼痛著しい為来院。

(症状)
頚部左回旋40度・右回旋10度頚部上部から左肩部・背部にかけ筋緊張疼痛及び運動制限著明。

(経過)
1日目:
低周波による治療後、患者仰臥位にて、右側から左側へ矯正を行う。
2日目:
前日の矯正にて、頚部左回旋45度・右回旋30度。筋緊張・疼痛及び運動制限が前日より軽減。まだ諸症状残存する為に右側から左側へ矯正3日目:
頚部左回旋50度・右回旋50度筋緊張・疼痛・運動制限消失するも様子を見る為、その後一日治療を行いすべての諸症状消失した為治癒す。
尚、治療後の予防としては頚部をぐるぐる回旋したり、又痛い方向へ無理に向かない様に注意指導する。
【おわりに】
今回、身近に遭遇する寝違いについて発表させて頂いた。寝違いの治療には、いろいろ様々な治療法があるが、当院では頚椎のずれている箇
所を矯正する事により、早期に痛みと運動制限を取る事が出来た。しかし、矯正を嫌がられる方や年動的にも矯正が出来ない方に対しては、今
後の課題としてより一層技術向上を目指し、もっと有効な治療法を見つけ今後の施術に役立てたいと思う。
【参考文献】

1.トリガーポイント検索法と治療
黒川共一著大川泰著医道の日本社
2.オステオパシー手技教本
アラン・スタッダート著科学新聞社

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